完璧に仕上げた!と思って説明を始めても、言いたいことが分からなくなる…相手に伝わる業務改善提案書の作り方を知りたい!
今回は、こんな悩みにお答えします。
この記事の内容
私は誰もが知る大きな会社で19年間サラリーマンをして、マネージャーとなって9年目。若手社員が作った提案書を見ると「おっ!キレイに作ってるな」と感心しますが、「読むと分かりづらい」はあるあるです。
説明している本人もしっくりきていません。ストーリーが聞き手に伝わる順番になっていないのが原因です。
この記事では、パワーポイントで提案書を作るときの構成と表現の工夫、はやく仕上げるコツを解説します!「伝える」から「伝わる」提案書の作り方が理解でき、説明をスムーズに行うことができます。
間違った伝わり方がなくなるので、後日お互いに「ん?そうだったっけ?」が発生しません。
提案書は80%が構成で決まります!
パワーポイントで作る業務改善提案書の構成
業務改善提案書には正確に伝わる構成があります。
- 解決すべき問題
- 問題が発生する要因
- 要因を解消する対策
- 対策を実施した想定効果
上記4つの流れが、王道パターン。そして重要なのは、4つの情報を提案書1ページ目(表紙の次)に要約することです。
サマリーの作成
提案書1ページに要約した情報は「サマリー」と呼ばれます。これから社内で出てくる用語だと思いますので覚えておいて損はないです。
論文やレポートなどで内容が膨大になるときに、冒頭にサマリーを持ってくることで、読み手がおおまかな内容を一目で把握することができます。また企画書や提案書、報告書などで、特定の内容を全て追っていると時間が掛かってしまうと思われるときは、サマリーをつけておくと親切です。インターネット上の検索画面で、内容の一部を短い文章で読めるのもサマリーですね。
マイナビ
上記の解説にもあります、「読み手がおおまかな内容を一目で把握すること」を目的に作るページ。読み手(聞き手)の疑問を先に解消してあげます。
- 提案の目的は?(問題)
- 具体的な作業は?(要因・対策)
- 聞くメリットは?(効果)
サマリーで読み手の認識を説明者と合わすことができます。たったこれだけで、提案内容の理解が格段にあがります。
- 私たちの部は他部署に比べ残業時間が30%も多い(問題)
- 月末の作業が特定の社員しかできない(要因)
- メンバー全員が特定の作業をできるように育成する(対策)
- 2か月後には他部署と同水準の残業時間とする(効果)
※実際の提案書では、各項目に補足の文章を足してくださいね。「なるほど、残業時間を減らための社員育成について提案を受けるんだな」と読み手は理解します。
この認識合わせが成功すれば、個別ページの内容もすんなり理解してもらえるのです。
パワーポイントで業務改善提案書を作成|表現の工夫を解説
書き方=伝わる表現方法と捉えてください。その工夫は下記4点。
- 使用フォントは「Meiryo UI」・「16Pt以上」
- 各ページのリード文は3行まで(フォントは16Pt以上)
- ワンスライド・ワンメッセージ
- 使用するフォント色の統一
パワーポイントを用いた提案書は「視覚的にわかりやすく、説得力が高まる」メリットを最大限に活かしましょう。
使用フォントは「Meiryo UI」・「16Pt以上」
パワーポイントの提案書はプレゼンが前提です。「Meiryo UI」はスライドに映しても見やすく、読みやすいフォントです。ビジネスマンの「暗黙の常識」となっているので、それ以外のフォントは違和感しかなく気になって内容が入ってきません。
フォントサイズは「16Pt以上」で参加者全員が見えるサイズとしましょう。
ワンスライド・ワンメッセージ
1ページで伝えたいことは1つにします。聞き手は常に「何が言いたいの?」と考えながら聞いています。2つ以上メッセージを詰め込むと聞き手の頭の整理を邪魔してしまうので、避けたい書き方です。
伝えたいメッセージが絞り込めているかはリード文で確認します。リード文をフォントサイズ16Ptで書いて3行でおさまらない場合は、メッセージを入れすぎと判断できます。
とはいえメッセージを1つにしても、リード文がまとまらず悩むことがあります。分かりやすい業務改善提案書を作るためには、「言葉の使い方」を身につけておくことも大切です。
おススメは「文章術の専門書」を読んで、文章を書くノウハウを学ぶのが一番です。私が参考にしている文章術の本はこちらの2冊。
文章の「プロが持つ共通のノウハウ」が書かれているので、必要な部分だけサッと読めて実用的です。読んで損はないですよ。
フォントの色は3色
使用するフォントの色は「3色」で統一します。目立たせたいだけで、無意味に色を使うのはやめましょう!伝えたい部分がぼやけてしまいます。
- 黒:通常文字
- 青:ポジティブな内容(メリット)
- 赤:ネガティブな内容(デメリット)
色使いも「暗黙の常識」なので、覚えておきたいです。メリットを赤で表現する間違いを若手社員はやりがちです。
※実際は、ほとんどの社会人がメリットを含め注意を向けたい言葉に赤色を利用しています。なので頑固にならず、周囲の常識に合わしてくださいね。
パワーポイントで業務改善提案書をはやく仕上げるコツ
確実に資料作成がはやくなるコツは、3点です。
- 提案書のフォーマットを作成
- 表はいつも同じ色づかい
- 使用した素材はフォーマットにコピー
先ほど書いたように分かりやすい提案書は、構成が決まっています。なのであらかじめフォーマットを作成しておきましょう!フォーマットに最低でも作っておきたい内容は、下記4点です。
- 表紙(宛先枠・日付・タイトル枠・会社名)
- サマリー(過去に作ったサマリーを貼り付け)
- 個別ページのレイアウト(タイトル枠・リード文枠・ページ番号)
- 素材貼り付け用ページ
私はこのパワーポイントのファイルを「マスターパワポ」と名付けています。
- 私の作った言葉です
- 一般的には使われません
提案書を作るときはマスターパワポをファイルコピー(複製)して使えばいいです。宛先と日付、タイトルを修正すれば、すぐに中身に移れます。
「マスターパワポ」にはこれまで使用した「表、画像、加工した図形など」を貼り付けておきます
迷う時間と探す時間、作成時間が大幅に削減されます。提案書が変わると表の色づかいが変わる人がいてますが、私からすればムダな作業です。
いつも同じものを使えばいいんですよ。「マスターパワポ」からコピペ(コピー&ペースト)するだけ。すばやく仕上げて、ササっと提案しましょう!
業務改善提案がボツにならないために
これまで、パワーポイントで業務改善提案書を作るテクニックを解説してきましたが、それ以上に必要な行動が仕事にあります。
この行動が抜けていると苦労して作りあげた提案書は、上司に受け入れてもらえません。それは与件(よけん)の整理です。与件とは仕事を遂行する上での制約条件で、『人かもしれないし、お金かもしれないし、情報』かもしれません。
どれだけいいアイデアも、実現できなければ意味がないからです。予算が100万円なのに200万円の対策を上司に提案しても0.1秒で却下されます。
この提案は受け入れられないよ。条件を満たしていない
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